イベント
まち農ツアー Vol.1
あきる野市“トカイナカ”で自然豊かな“農ライフ”を体験!

<イベントレポート>


東京都心から西に位置し、秋川渓谷や、緑豊かな山々に囲まれた豊かな自然が残るあきる野市。意外にも、都心へのアクセスが良く田舎暮らしと都会近くの便利なライフスタイルが両立できることから“トカイナカ”とも呼ばれています。そんなあきる野市で行われた、農業を身近に感じられる体験ツアーの様子をレポートします!


立川市からバスであきる野市へ

元気な添乗員さんとともに、出発!



梅雨も明け暑さ真っ盛りの7月25日(木)、まずは朝8時に立川駅集合。ここからバスで、あきる野市の農業体験ができる農園「あきる野の笹本さん」へ向かいます。

バスの車内では、添乗員さんから東京都の農業事情についての話を聞くことができました。現在、東京都の農業は農作物の生産だけではなく、農家さん自身が行う多種多様な取り組みがスタートしているとのこと。例えば、体験プログラムの実施、6次産業、地域コミュニティの創出など……“都市農業”は私たち消費者と生産者の距離を縮めながら、新たな魅力を持つコンテンツとして注目を集め始めていると聞いて、ワクワクしてきました! 添乗員さんの軽妙なトークを交えつつ、立川から約1時間。多摩川を越えて、見晴らしの良い標高200~300mの丘陵地域にある農園に到着しました!



満面の笑顔で迎えてくれた笹本さん

都内ホテル調理場、レストランチェーンマーケティングを経て、家業の農園を継いだ2代目笹本善之さん



いざ収穫体験! まずはキュウリから!

新鮮なキュウリの見分け方を教えてくれる笹本さん。

鮮度を保つ働きのあるブルームと呼ばれる白い粉がついているものは、水分蒸発を防いでくれる働きをする新鮮なキュウリの証なんだそう。スーパーで見つけるのは、難しそう



キュウリが栽培されていたのは、ビニールハウス。笹野さんから、「キュウリの根本を押し出すようにして採りましょう!」とアドバイスを受け、収穫スタート。ハウスの中で育ったキュウリ畑のつるは自身の身長を雄にこす高さに成長し、まるでジャングル。前に進むのもやっとながら、ベストな1本を探すべく汗だくになりながら慎重に選んでいきます。



キュウリは、雌花に実をつけ成長。雄花と雌花を受粉させなくても、実が作れるのがキュウリで、他にはバナナ、イチジク、ブドウも同じ性質を持っているんだとか



お次は、モロヘイヤとオクラ畑へ

次に向かったのは、少し歩いた住宅地に隣接するモロヘイヤとオクラが栽培されている畑。一見すると、普通の葉っぱにしか見えないのがモロヘイヤと聞いてびっくり。普段スーパーで販売されているものしか見たことないので、青々と茂る葉っぱがモロヘイヤだったとは。。。



住宅地に囲まれたモロヘイヤ畑

なかなか目にできないオクラの花。

朝に咲き、夕方には萎んでしまう一日花



モロヘイヤの収穫は、一番上の新鮮なやわらかい葉っぱだけを人の手で摘み取っていくんだそう。「両手を使って、スピーディーに摘みとりましょう」と見本を見せてくれ、茶葉を摘むように、トライ。


房のある野菜は、ぶら下がるようになると思っていましたが、まっすぐ太陽に向かって育つオクラを見て、野菜にもいろいろな育ち方、特徴があることを知ることができ、これまでの固定概念が覆りました!

はさみで根本を切り、鮮やかな緑色の柔らかいオクラを収穫! 参加者の中には、採れ立ての生オクラを食べる強者があらわれ、つられて口に入れると茹でなくても柔らかく食べられることにびっくり。オクラ特融の粘りは少なく感じたものの、シャキシャキとした触感でとてもおいしかった! ただ、食物繊維が豊富なため、生での食べ過ぎにはご注意を。



“東京都の富良野”と呼ばれる広大な秋留台地へ

山々に囲まれた平野の秋留台地



笹本さんの畑は、秋留台を中心に23か所に点在しており、最初に訪問したのが草花丘陵地帯にある畑。お次に向かったのは、平川、秋川に挟まれた下流域に広がる広大な平野の畑。素人からすると移動に時間がかかり作業が大変そうに感じられますが、作物の病気が畑全体に蔓延するのを防ぎ、被害を最小限に抑えることができるから畑が分散されているのはメリットにもなっているんだそう。そんなお話を聞きながら、畑を進んでいくと、生育中のさといも畑、夏感満載のとうもろこし畑が広がっていました。



水をはじく里芋の葉っぱは傘のよう

青空に映えるとうもろこし畑



甘く、シャキシャキとした歯ごたえで、
生でも十分に甘さを感じる “秋川とうもろこし”

続けて、埼玉県から参加した小学生もかぶりつき!



最初にみんなで、生のとうもろこしを味見。一粒一粒が大きく、甘~いとうもろこしに感動しながら、自分の背より高いとうもろこし畑を進んで、収穫していきます。意外にも、とうもろこしの根は浅く、雨や風の影響を受けやすく、茎から倒れてしまうものも多いそうですが、とうもろこしの実に特に影響はなし! ということで、それぞれ時間が許すまで思い思いの1本を探して、収穫することができました。最後にみんな笑顔で記念撮影。





笹本さんは今回のように私たち消費者が新鮮な作物を享受できる様々な体験プログラムを実施しながら、地域の農業の発展にチャンレジし続けているエネルギーに溢れた方。幅広い世代の方にご参加いただける農業プログラムを展開しているとのことで、興味のある方は、ぜひ問い合わせをしてみて下さい!


<笹本農園HP> https://akiruno-sasamoto-farm.com/



お昼は、笹本さんの農園で採れた野菜を使った天ぷらと打ち立て蕎麦!

畑での体験が終わり、次はお昼! 特別に、笹本さんの畑で採れた野菜を使った天ざるをいただきました。



モロヘイヤ、なす、オクラ、かぼちゃ、じゃがいも、玉ねぎの天ぷら。どれもサクサクでおいしかった!



秋川流域の農産物が集まる秋川ファーマーズセンターでお買い物

お腹を満たした後は、あきる野市随一の観光スポットでもある五日市街道沿いの秋川ファーマーズセンターへ。五日市街道沿いには、かつてとうもろこし畑と直売所が並んだことから”とうもろこし街道“とも呼ばれ、昔からこの一帯がとうもろこしの名産地であったことがわかります。店内に入ると、平日にもかかわらず、たくさんのお客さんで賑わっていました。それもそのはず、こちらのファーマーズセンターは市内よりも都内からのお客さんの割合が高く、新鮮な野菜、スーパーでは買えない商品を求めて遠方から来店する方が多いんだとか。



生産者の顔写真が貼られたファーマーズセンター

生産者の名前入り! どれも、新鮮な朝採れ野菜



あきるの市内には、3ヶ所の直売所があり登録している農家さんは199人ほど。商品には、しっかりと生産者の名前が書かれていて、私たち消費者との距離がすごく近く、何よりスーパーではあまり見ることができない新鮮な野菜の数々に感動! 皆さまも、機会があれば是非訪れてみて下さい!



秋川渓谷沿いを散策しながら瀬音の湯へ



ファーマーズセンターでの買い物を終えて、最後の目的地である温泉施設「瀬音の湯」へ。あきる野の観光スポット石船橋を渡ると、夏らしく川遊びに興じる笑い声が響きわたり、”田舎の夏休み”風情を感じられました。午前中に収穫体験でかいた汗をすっきりと洗いながして、さっぱりとつるつるに。



すべての体験を満喫し、充実したツアーもフィナーレ!

夏真っ盛りのあきる野市での収穫体験を通じて、たくさんの農地、畑、自然が広がっていて、まさに“トカイナカ”の農業を身近に感じることができました。さらに普段見かけることができない新鮮野菜の数々に、感動と驚きがあり、都市農業の魅力、新たな発見が詰まった充実のツアー内容でした!



笹本さんの農園で収穫したモロヘイヤ、とうもろこし、きゅうり、オクラ



by まちなか農業ひろば事務局