2024.12.04
三鷹・武蔵野エリアの”農業ニューウェーブ”を体験!
<イベントレポート>
自然と調和した環境で子育てがしやすいと人気の三鷹市、小金井市で8月5日(月)に開催された新たな農業に取り組んでいる農園体験ツアーに参加してきました! 夏休みがスタートしたばかりということで、多くの子どもたちが参加し、とても賑やかで楽しいツアーとなった様子をレポートします!
農業一筋”農業女子”鈴木茜さんのこびと農園へ
畑の真中に張られたテントで、まずは都市農業、新規就農についてのお話
鈴木茜さんが、武蔵野市でこびと農園を始めたのは2022年とホヤホヤ。新規就農というと何かとハードルが高そうですが、農業一筋の鈴木さんは農業高校を卒業後に農業法人や、個人農家で得てきた関係性を繋げて、農園をスタートすることが出来たそう。そして、武蔵野市で新規就農を受け入れることになったのは鈴木さんで初となるという歴史を作った方でもあるのです!
クイズ形式で楽しみながら、野菜について学ぶことができました。
これまでの紆余曲折を経て、今では小金井市にも畑を持ちながら、体験プログラム、農福連携(障がい者の方が農作業等を通して社会参画を実現する取り組み)、講師、直売所などの事業を多角的に展開して精力的に活動されています。参加者の方からはそんな夢を掴んだ鈴木さんへ、「どうやって畑を借りることができたのか」「武蔵野市を選んだ理由は?」などの具体的な質問が飛び交いました。
これまでの経緯を伺い、東京の農業事情や野菜の成り立ちについてのお話、農業クイズでウォーミングアップを終えたら、いざ収穫体験がスタートです。
夏野菜の定番エダマメ、なすを収穫!
根っこから引き抜いたエダマメに感心中
「大きい1本採れたよ!」と嬉しそうに報告してくれました
あまり見かけない大きな白ナスに満面の笑顔!
たくさん収穫できて、大満足!!
子どもたちにとっては待ちに待った収穫体験! まずは、エダマメ。その名の通り枝に豆の実が幾重にもなっていますが、収穫するときは根っこから引っこ抜くのがポイント。これが子どもたちにとっては、大仕事。さらに、収穫した後は、余分な葉っぱや、茎をカットするのですが、これも言わずもがな大人の作業に……。
一通り枝豆の収穫を終え、お次はナス。細長く育ったもの、丸くなったものなどいろんな形に育っているのが子どもたちにとっては面白かったようで、まるで宝物を見つけたような笑顔で収穫していました。
お昼は地元シェフが手掛けるガストロミ―を堪能!
お昼は、地産地消にこだわったフレンチレストラン「Bistro Relation」(ビストロ・ルラシオン)へ。こちらもこびと農園と同時期の2022年にオープンしたばかりで、食事しながらも地域文化を感じることができるガストロノミーを、ビストロ感覚で体験できると話題のお店。
私たちが畑で見てきた野菜が、シェフの手にかかり見事なコース料理に様変わり。まずは、じゃがいも、玉ねぎ、人参のケークサレを春菊バターでいただき、さっぱりとしたマリネのズッキーニとシマアジ、まるまる1本のナスとハムのすっきりとした味わいを感じた後には、濃厚な味わいのミモレットを使ったリゾット。目でも食事を楽しむことができ、農家さんの顔を思い浮かべながら丁寧に調理された一品一品をおいしくいただきました。
地域資源の活用、開かれた畑を目指す冨澤ファームへ
100年以上続く農家「冨澤ファーム」の4代目冨澤剛さん
お腹が満たされて次に向かったのは、三鷹市で明治時代から農園を営んでいる冨澤ファーム。年間1000人以上もの方々が、農体験や援農ボランティアとして訪れるオープンファームの運営や、地域資源の活用、6次産業の開発など、様々な事業を精力的に展開している農園として注目を浴びているのだそう。
迎えてくれたのは4代目園主の冨澤剛さん。冨澤さんは、東京農工大学の馬術部で飼育している馬の馬糞、国際基督教大学の雑木林から出る落ち葉など、地域で出るごみを回収して、たい肥作りに利用しているのだそう。そのたい肥で作った野菜を地元地域に供給し、循環型の農業を実践しています。お話を聞いた後には、実際に育てているたい肥作りの見学です!
栄養満点のたい肥作りをお手伝い
冨澤さんから、生ごみコンポストによるたい肥作りのレクチャーを受けます
畑の横で、たい肥を育てるための四角いボックスが4つ並んでいました。最初のボックスには、生ごみや、落ち葉が分解されていない状態のたい肥。ここに、回収してきたLFCコンポスト(おしゃれバック型の家庭用生ゴミコンポスター)などを入れて発酵を進めていき、発酵が進んだ順に土を入れ替えながらたい肥を育てていきます。
天地返しを行い、空気・土を入れ替えて、良いたい肥になるよう発酵・熟成を進めていきます
とうもろこしの粒がつまった”ハタケ・ブレッド”で一休み
とうもろこしの粒がぎっしりとつまった”ハタケ・ブレッド”
冨澤さんは、地域経済の活性化を目指し農産物の6次産業化にも力を入れていて、そのひとつが季節の野菜を使った「ハタケ・ブレッド」。今回特別に、トウモロコシブレッドをいただくことができました。ブレッドを頬張りながら、参加者と冨澤さんとの会話が進み、自宅でコンポストする際の疑問点や注意点についての質問があり、生ごみの削減につながる点などで興味を引かれている様子でした。
地産地消を後押ししてくれる直売所でお買い物
産地が書かれた新鮮な野菜たち。冨澤ファームのナスを発見!
最後に向かったのは武蔵境駅内にあるマルシェ、エマリコくにたち「しゅんかしゅんか武蔵境店」。こちらは、武蔵野エリアの農家さんへ直接野菜を集荷買取して、販売するという生産者との距離がとても近いのが魅力の直売所なんだそう。朝採れ野菜を、その日のうちに手に入れることができるというシステムで、“まちなか農家”さんとの距離が近くに感じられ、地域との繋がりを野菜を通して体感することができました!
by まちなか農業ひろば事務局